2011年9月3日土曜日

ルノワール「コンサートにて」


      「コンサートにて」を所有する
      Sterling & Francine Clark Art Institute
      (Williamstown, Massachusetts, USA)

この8月、次女の誕生会は時間が合わず延び延びになっていた。今多摩川近くの川崎に住んでいるが夫婦で勤めていることもあり忙しい毎日のようである。ようやくお互いに時間の都合がつき婿殿も一緒に東京自由が丘で食事することになった。二人とも元気で何よりであった。

次女が生まれたとき二人の娘にふさわしい絵画はないかと捜し求めた。誰の作とも知らず購入したのが「コンサートにて」の複製画であった。晩年のルノワールが描いたふくよかな女性の絵とはあまりにも趣が異なっている。東京、ドイツ、神戸、広島、つくばと転勤ごとに我が居間を飾ってきている。この3月の大地震の時には落下し額縁が破損したが修理し今も健在である。

ドイツ時代にはその本物に出会いたいとヨーロッパ各所にある美術館を訪れ探したが出会うことはなかった。美術書を調べあげてようやくアメリカのマサチューセッツの山間の美術館にあることを突き止めた。そして、アメリカ出張の際日曜日を利用して訪問した。しかし、残念ながらちょうど改修工事中のためこの絵だけは倉庫に保管され見ることはかなわなかった。(ヨーロッパ駐在日記、ウィリアムズタウン

その1年後、今度はプライベートでアメリカ旅行し、ようやく本物に出会うことが出来た。色彩鮮やかで黒のドレスと花の赤色が映える。たたみ1畳くらいの大きさで迫力がある。とうてい複製画ではその迫力を味合うことはできない。とはいえ、この複製画は今までの娘たちの成長の過程と重なり合い、日々心を和ませてくれている。