(夕焼けの富士)
今年もあとわずかとなった。年末恒例の日本フィルの第九交響曲を聴きに午後から東京に出かけた。東京自宅まで車で行き、そこに車を置き山手線で池袋に向かった。今年はいつもの六本木サントリーホールではなく久しぶりに池袋駅前の東京芸術劇場であった。
指揮はいつものコバケンこと小林研一郎である。エネルギッシュな指揮は衰えていない。ヨーロッパ駐在日記/ベートベンの第九にも書いているがべートーベンの表現しようとしていたAlle Menschen werden Brueder.(人みな兄弟になる。)そのものを体感しつつ、今年の出来事を思い浮かべた。
今年の出来事は何といっても6月から仕事を再開したことと、それにともない計画していた久しぶりのドイツ生活を断念したことである。5月から2~3ヶ月久しぶりに妻と共にドイツで生活する計画を立て飛行機の予約もとっていたが、出発1週間前に仕事の話が決まり結局私はドイツ行きを断念した。
妻は出発前にすでにドイツの友達たちと色々な計画を立てており、妻一人で出かけることになった。今まで海外旅行は常に私と一緒であったことから出発前は不安で緊張していたそうだ。しかし、ドイツで友達に会ったとたん元気が出てすっかり楽しんでいた。それに加えて1週間遅れで長女も合流し、母娘での旅行となり親子の絆を深めたようだ。
今はスカイプという便利な手段でいつでも、世界どこでもパソコンを通じてテレビ電話が出来、日本で留守番していても近くにいるようで海外に行っているとは思えない感じであった。妻が帰国後も娘はイタリア北部アルプスに近い山間に10日ほど滞在し帰国した。今回は行けなかったが今の仕事が一段落すればまたドイツでの生活も計画したいと考えている。
このごろは天気のよい日、自宅から西空に富士山を見ることが出来る。さえぎるものがないため富士の全景が望める。イタリアシシリー島のエトナ山も高さは同じようなものであるが、山頂からの稜線はゆるやかで、富士のような角度のある稜線ではなく、富士の美しさをいつも認識させられる。
今年も無事過ごせたことを感謝し、来年もこの恒例の第九交響曲を聴きに行けるよう願っている。