恒例の第九交響曲を聴きに出かけた。つくばから常磐道を通り東京自宅に入り、車を置いて地下鉄千代田線で六本木サントリーホールに向かった。昨年は常磐道から雪の富士山を見ることが出来たが今回は晴天とはいえ霞がかかり残念ながら見ることが出来なかった。コバケンこと小林研一郎指揮の日本フィルハーモニーの演奏会である。
コバケンは現在オランダのアーネムフィルハーモニーの常任指揮者であるが、日本に帰国しての指揮であった。このアーネムフィルハーモニーは勤めていた会社がスポンサーになっていることもあり、この春日本で演奏会があったときにも聴きに出かけている。この時もコバケン指揮、サントリーホールであった。最前列で指揮者の真後ろということもあってコバケンのうなり声とともにその迫力に圧倒された。今回は中ほどの席ではあったが時たまそのうなり声もかすかに聞かれた。迫力と共に叙情的な美しい表現も堪能させてもらった。
聴きながらこの一年の出来事を思い浮かべた。記憶に残ることといえば、三回目の北海道旅行である。子供が小さいころに道南をドライブ、ドイツから帰国直後に道東をドライブ、そしてこの夏は道北をドライブした。大洗からフェリーで苫小牧に入り、名寄、サロベツ湿原、礼文島、利尻島、稚内、宗谷岬、紋別、サロマ湖、旭川、積丹半島、函館、そして青函フェリーで青森へ、奥入瀬渓谷、十和田湖を経て東北自動車道、常磐道でつくばに戻った。
日本には富士山の形に似た山がたくさんあるが利尻富士もその一つで印象に残った。日本最北端宗谷岬、その先の樺太は見えなかったがすぐそこはロシア。紋別ではロシア人を結構多く見かけ地理的にロシアが近いことを実感させられた。昔道南をドライブしたときに行けなかった積丹半島にも足を伸ばし積丹ブルーの美しい海も楽しませてくれた。ドライブ距離約2500kmの旅であった。
ドイツ時代の知り合いの方が現在北海道はニセコ近くの欄越町に住んでおられ白アスパラガスを栽培しているとの情報もあった。ドイツ時代唯一の美味、白アスパラガスを思い出し(バルベック/ヨーロッパ駐在日記 )、次回はアスパラの季節にもドライブしたいと思う。
今年もあとわずかになった。この一年も無事に過ごせたことを感謝しつつ、来年もこの恒例の第九交響曲が聴きに行けるよう願っている。