(単層CNT融合新材料研究開発機構資料)
昨年まではカーボンナノチューブ(CNT)研究の仕事に関わっていた。(http://tsukubanite.blogspot.jp/2010_08_01_archive.html#1825669021090785043、http://tsukubanite.blogspot.jp/2010_09_01_archive.html) このとき100名に近いポストドクター研究員を雇うべく多くの候補者の面接をしたことがある。主に博士論文について聞くのであるが、さすが東大、東京工大などの一流と言われる国立大学出身者の研究論文は博士に十分値する内容であった。しかし私立大学については残念ながら博士研究とは程遠い内容のものが多かった。特にひどいのはただ実験してその結果をたくさん並べるだけでその現象結果についての考察が稚拙なもので、修士どころかせいぜい学部卒業論文に近い内容である。それでも博士号として認定され、堂々と応募してきていた。
いまSTAP細胞発見者がその論文の問題点を指摘されている。STAP細胞の発見自体が疑われるのか今のところはっきりしない。論文の中の写真、記述に他の論文の流用あるいは改変疑惑があるようである。そしてその影響はご自身の博士論文にまで波及し、他人の論文内容がそのまま採用されているという。
もし引用文献を記載するならそのところにしるしをつけて最後のレフェレンスで引用した文献内容を書くのが論文作成のイロハである。引用ではなく自分の論文として載せたきらいがある。ミスとの釈明であるが、作為的であった感じもある。博士課程での教育の中で論文の書き方もしっかり教授すべきで、ふつう学部卒業論文の時に論文の書き方のイロハを勉強するものである。私立大卒といっても私大の中ではトップの大学であるにもかからわず、この辺の教育ができていなかったのではないか、それとも本人の倫理感欠如による確信犯なのか、理解に苦しむところである。
日本は欧米に比べて私企業で活躍するドクターが少ないとの指摘があり、この30年ほどドクターコースが増設され、ポストドクターが増えた。私企業ではまだまだドクターを大量に採用する方向ではないため就職できないドクターがあふれている。就職率は40%くらいとの話もある。結局このような人が期限付き研究職の募集に殺到しているのが現状である。
それに加えて、今では海外からの応募も多く、これら海外からの応募者は非常に優秀な人のため日本人と競合している。今回の事件はドクター乱造の弊害の一端が現実化した事件のようである。このようなドクターの質の低下はますます一般企業がドクターを敬遠する一因になるのであろう。ドクターのみならず現在は大学の乱立により大卒自体もそのレベルが低下しており、昔の公立高校卒業生の方が優秀であったと思うのは私だけであろうか。
話題のリケジョは我が娘が学んだ大学・大学院の後輩でもある。我が娘もリケジョとして企業で毎日仕事に忙しいようだが、日々の業務を全うしているのか気になるところである。





































