2013年5月15日水曜日

ベルリンドームコンサート

 ベルリンドーム
 ドーム天井
 ドームコンサート
 ベルリン中央駅
 ベルリンラートハウス(市庁舎)

 ベルリンの壁公園

 追悼写真
ソニーセンター(ポツダム広場)

  久しぶりに教会内での音楽を聴く機会が持てた。ベルリン中心部にあるドームで、シェーンベルクの「グレの歌」であった。ふつう教会での音楽というと古典の曲が多いが、趣向の異なる音楽である。オラトリオで管弦楽とともにソリスト、合唱団とかなりの大掛かりな演奏会であった。いつものことながら、教会内での音の響きは心地よい気持ちにさせてくれる
。
 

  ベルリンも久しぶりであるが、以前来たときは旧西ベルリンの動物公園駅付近が中心街であり、また一部ベルリンの壁が残っており、ブランデンブル門など工事中であった。またようやくポツダム広場のソニーセンターが出来たところで、開発が進行中の時であった。

  今では旧東ベルリンにある東ベルリン駅との間に新しくベルリン中央駅ができ、ブンデンブルグ門近辺はきれいに整備されていた。近くには悲劇を弔うべく慰霊施設もできていた。中心街はブランデンブルグ門につながるウンターリンデン通りに移行しつつあった。ウンターリンデン通り近くには市庁舎も見ることも出来た。

  ウンターリンデン通りは地下鉄の工事中で車、人々で結構混雑している。これのみならずSバーン環状線内外ともいろんなところで工事が今も進行中で、ベルリンはますます変化する兆しを感じた。昔に比べて観光客が多く、ドイツの首都としての位置づけが確立したようだ。


  Sバーン北駅近くにはベルリンの壁公園があり、壁がそのまま保存され、記念物として管理されている。この壁を越えようとして射殺された人々の写真も残され昔の出来事を後世に伝える努力がなされている。昔の悲劇を後世に伝えるとともに、新しいベルリン作りに邁進しているとの印象を受けた。

2013年4月20日土曜日

屋久島

 弥生杉
 紀元杉
仏陀杉 
 千年杉
苔の森 
 茶屋ひらの
    
   20年ほど前ドイツ在住時代知り合いになった方で、日本へ帰国後ずっと屋久島に住んでる人がいる。自然豊かなところで子育てをしたいという思いで屋久島に住居を構えたという。6年前に広島に住んでいた時、車でフェリーを使って訪問の段取りをしたが、東京での急用のため行けていなかった。ようやく訪問ができお会いすることが出来た。安房にある屋久島郷土料理の茶屋ひらので昼食を共にした。

  海外駐在員の悩みの一つが子供の教育である。駐在員の場合いずれ日本に帰ることになるので日本人学校がある所では日本人学校に通わせることが多い。しかし、ドイツでの経験をさせたいとのことでドイツシューレを選ばれていた。しかし、日本帰国後自然豊かな環境での生活であったが、国語などの勉強は大変だったとのお話であった。

  ご主人は外国単身赴任が続いており、またお子様はすでに成長し東京とカナダの大学へ巣立ちされていた。現在は屋久島で一人暮らしで、たまにご主人、お子様が戻ってくるという生活である。奥様自身も英語を教えつつ自分の趣味であるダイビングなど自然との生活を楽しんでおられた。ただお子様達のこれからの就職がどうなるか気にしておられた。

  今回、樹齢7000年という縄文杉のところまで登ることはできなかったが、3000年の弥生杉、紀元杉、1800年という仏陀杉、1000年という千年杉を目の前にみて、これら杉はこれからもずっと生き続けるかと思うと我々人間の寿命はほんの刹那であると感じざるを得なかった。

  島全体が樹木の茂る山岳の森であり、その中はしっとりとして苔で覆われ、京都の苔寺の雰囲気を超越した自然を感じた。すがすがしい空気を存分に味わったが、お子様達も都会では味わえない自然の中で育ったことを生かして、それぞれの人生を豊かなものにしてほししいと願ってやまない。

2013年4月8日月曜日

カーボンナノチューブへの期待

 カーボンナノチューブの研究開発に携わって3年になる。最後の仕事は日本表面科学会から依頼の投稿である。表面科学会誌5月号に掲載予定の最終原稿を本日提出した。(www.sssj.org/jsssj/Vol34/34-05/index.htm)

 この3年の間に、日本繊維機械学会から依頼の学会誌 巻頭言として「単層カーボンナノチューブの可能性を求めて」、月刊 NEW DIAMOND誌 巻頭言として「ナノカーボンの時代へ」がすでに掲載されている。

 今回は、日本表面科学会の連載企画「エネルギー問題と表面科学」の⑤として「低炭素社会を目指した新規材料開発と応用」という題目でまとめた。

 カーボンナノチューブの開発は、とくに単層についてはまだまだ実用化には時間がかかるものと思われ、実用化への最初の国家プロジェクトに従事させていただいたことになる。いろいろな成果が出ているが、カーボン繊維、アラミド繊維の開発の歴史から判断すると、実際の産業に育つにはこれからも長期にわたる努力が必要と考えている。
 本日の原稿提出をもってカーボンナノチューブとの関わりも終わりとなるが、このようなプロジェクトが今後も続くことを願っている。

2013年4月6日土曜日

京都花の寺

  2年前震災の後、5月連休に京都を訪れ花の寺(勝持寺)に立ち寄っている(http://tsukubanite.blogspot.jp/2011_04_01_archive.html)。すでに葉桜になっていて子供のころ見た桜一面の風景を楽しむことはできなかった。今回再度桜のシーズンに訪れることになった。

 ちょうど京都は桜満開の時期であったことから、有名な丸山公園の枝垂桜、鴨川沿い、六角堂、嵐山なども見て回り、桜を楽しんだ。いずれの場所も銀座並みの大変な人出でにぎわっていた。

 一方花の寺は、一面ピンクで彩られる満開の時期を過ぎていた。とはいえまだ一部花が残っていて、2年前に撮った写真と同じ場所で記録に残した。時期が若干遅かったこともあるが訪問者は数人で、他の名所の人出とは対照的であった。静かで本当の京都の雰囲気を味えるところでありこれからもあまり有名にならないでほしいと願うのは私だけであろうか。

 京都の後、津山城、庄原、尾道、神戸夙川などの桜も見て回ったが、いずれも満開で春爛漫であった。今年は東京の方が早く開花し、すでに上野公園の桜は見てきていた。桜の開花は通常は北上するが今年は一部逆方向のようである。おかげで桜満喫の週となった。 

2013年4月4日木曜日

ミシュランガイド

 
茶話駄(さわだ)のお店(左)と桜(右)
満開の桜

ヨーロッパ在住時、旅行の手引きとして使っていたのがミシュランガイド。名所、ホテル、レストランなどが記載され、ほとんど個人で車旅行していたものにとってどこを訪問すればよいか大変参考になった。また食事も本で紹介されているレストランを利用することも多く、間違いなくおいしくいただいた経験がある。

 本日、尾道御調にある蕎麦どころ「茶話駄」(さわだ)で昼食をとった。2年ぶりの訪問であった(http://tsukubanite.blogspot.jp/2011_08_01_archive.html#5413164310993370296)。尾道の山間部の盆地にあるお宅がお店になっており、40年前に奥様が植えたという桜が立派に成長し満開の姿を見せていた。今回も蕎麦三昧を注文した。手打ち十割そばで絶品である。

 食事しながらの話で、もう年なのでやめようと思っていたができなくなったとのこと。その理由を聞くと、知らないことであったが昨年ミシュランの覆面調査員が普通のお客として食事していったようだとのこと。秋になって正式にミシュランと名乗って再度訪問者があり、本年の5月に新たに発売されるミシュランガイド広島版に載せるとの話。お店が続いていることを確認しに来たという。

 今までいろんな蕎麦を食べてきたが(http://tsukubanite.blogspot.jp/2008_09_01_archive.html#429690465440724207 ) 、ここの味と雰囲気に勝るところはないと感じていた。さすがミシュランである。ご主人の意向とは関係なしに、このお店が世界的な評価を受けたということである。今までは知る人ぞ知るという存在であったが、これからはお客様が殺到するものと思う。

 東京でもミシュランに載った店はあまりにも有名になり予約が取れない状況である。ご主人は今まで通り細々と日に20名までの予約だけ受ける方針とのことで業務を拡大するつもりはないという。

 今までは希望通り予約が取れていたが、これからは難しくなること間違いない。うっかりすると半年から1年前から予約が必要かもしれない。ミシュランに認められたことは大変喜ばしいことと思うが、次はいつ食せるかが気になるところである。

2013年2月19日火曜日

クラークコレクション


三菱1号館美術館

   アメリカはマサチューセッツの山間盆地の田舎町ウイリアムズタウンにある美術館、スターリング アンド フランシーヌ クラーク アート インスティチュートには三度足を運んでいる。(ヨーロッパ駐在日記 1996年 3月 ウリアムズタウン 、つくばにて 2011年 9月3日 ルノワール「コンサートにて」 http://tsukubanite.blogspot.jp/2011_09_01_archive.html、つくばにて 2011年12月5日 スターリング アンド フランシーヌ クラーク アート インスティチュート http://tsukubanite.blogspot.jp/2011_12_01_archive.html#8760764850198347777)

 その理由は、この35年我が家の居間を長年にわたって飾っている複製画、ルノワールの「コンサートにて」の本物を見るためである。世界的には無名の美術館であるため、3度とも訪れた時には見学者は数名であった。自然豊かな町の中でゆっくりと過ごした思い出が残る。

 今、東京でこの美術館の展覧会が開催されている。東京駅前丸の内にある三菱1号館美術館がクラークコレクションと銘打って催している。本日、東京の税務署で確定申告を済ました後訪れた。印象派を中心とした有名な絵画がずらっと展示され、館内は満員、来客者がわずかであるアメリカ本場の雰囲気と対照的である。もちろん「コンサートにて」も見ることが出来た。

 説明によると、もともとこの絵には後ろに男性も描かれていたとのこと。それを隠すためバックにはカーテンのような色が塗られており、よく見ると男性の面影がみられるという。じっくり見てみたがもう一つわからなかった。

 有名な絵画をたくさん展示しているのであるが、すべて表面には透明板でカバーされており、油絵の醍醐味である凹凸感からくる迫力が感じられなかった。アメリカ本場では確かカバーはなくその迫力に圧倒された思いがある。我が家にある複製画でも凹凸が描かれており油絵の趣を表現している。損傷に対する対策かもしれないが今回の展示の方法は残念である。

 不満の残る展覧会であったが、この美術館が世界的に知られる一歩となったことは間違いないようである。

2013年2月5日火曜日

低炭素社会を目指して


     18世紀後半にイギリスで始まった産業革命はその後全世界に波及し,この20世紀の前半まで資源は無限であるような錯覚の元に資源消費量を拡大させ,世の中を豊かにしてきた。しかし,一方で鉱毒被害,水俣病,四日市ぜんそく,そして最近では原子力発電所の事故による放射線被ばくなどの環境問題も深刻になり人々を苦しめる負の歴史も作ることになった。
 資源の枯渇対策と共に,特にこの20年来炭酸ガスによる温暖化現象も現実のものなりその対策が世界的課題となっている。その方策の中で,素材面からの対策の可能性について新しいナノ素材,特にカーボンナノチューブ,グラフェンによる貢献が期待されている。
  金属材料として鉄,銅,アルミなど,無機材料としては石材,ガラス,有機材料としては材木,植物材料,皮,繊維状のものとして綿,羊毛,絹など使われてきたが,20世紀の最大の発明の一つはナイロンに始まる高分子合成による材料開発である。その後たとえば繊維の世界ではポリエステル繊維,アクリル繊維,今ではアラミドなどのスーパー繊維などが続々と発明され,高分子材料の世界は飛躍的発展を遂げた。20世紀は高分子材料の時代といえる。
  一方,20世紀後半からは炭素繊維が開発され21世紀に入り多方面でその軽量・強靭性能でエネルギー削減に大いに寄与している。
   今後のエネルギー問題を考えるとき21世紀の時代の重要な位置を持つ素材の一つがカーボンではないかと考えられる。カーボンの歴史を見ると,鉛筆の芯で有名なグラファイト,宝石,研磨材のダイヤモンド,タイヤ補強に使われるカーボンブラックなど今までもいろんな分野で使用されてきた。そして近年発見されたのがフラーレン,カーボンナノチューブ(CNT),グラフェンなどナノカーボン素材である。
 これらカーボン素材としてカーボンナノチューブ,グラフェンはいろいろな用途に展開できるとして期待されている。このためNEDOプロジェクトとして「低炭素社会を実現する単層CNT複合材料開発プロジェクト」 (独立行政法人産業技術総合研究所が開発したSupper Growth法,eDIPS法による単層CNTの研究開発) を技術研究組合単層CNT融合新材料研究開発機構(TASC)が受託し,これら素材の基盤研究から,その応用研究まで鋭意開発が進められている。
  将来自動車はガソリン自動車から燃料電池車、電気自動車に切り替わり,小回りのきく超小型自動車が発展し,空では格安ジェット旅行を実現する小型ジェット機が普及,運搬・観光・通信用などに太陽電池・燃料電池による飛行船が,海では風力利用帆付き・太陽電池・燃料電池動力のエコシップなど乗り物の世界も様変わりすることが予想される。


 特にエネルギーディバイスの分野ではカーボンナノ(CNT)素材の威力を発揮する応用分野の展開が可能である。高分子電界質型燃料電池では導電体担持活性炭のCNT化,色素増大型太陽電池では,対極基板白金のCNT化,有機薄膜型太陽電池では金属性CNT使用透明電極使用,リチウムイオン電池では正極・負極材に使用,電気二重層キャパシタでは活性炭のCNT化などによりその性能を飛躍的に向上させることが可能と期待されている。
    このようにCNTの応用分野は広いものがあるが,大きな問題はCNT自体の価格が高いことにある。特に性能が優れている単層CNT(SCNT)の価格は現在数100万円/kgと言われており,現状の価格では使われる用途は限られる。応用展開が進むにはコストダウンも含めたCNT自体の製造技術革新がさらに必要となっている。
  先にあげたエネルギーディバイスでの展開はCNT価格10万円/kg前後でも実用化が可能と思われるが,高強力を利用する航空機胴体,自動車車体,風力発電ブレードなどへの適用には価格が1万円以下になることが条件となるであろう。
   すなわちこの条件を満たす次世代CNT生産技術開発が望まれるところで,その開発成功が大きな産業に成長するキーとなると予想している。このように新規材料が大量に安価に供給されることにより,実用化範囲が大きく広がり,その際に必要となる技術開発,表面界面に関係する物理的,化学的特性の解明など,幅広い分野にわたり基礎研究から実用化研究の加速も予想される。その結果低炭素社会実現に大いに貢献することが可能になる。
    地球の資源開発の中で深海開発は資源問題解決のこれからの重要な課題となる。高強力CNT繊維の開発により深海開発用ロープへの適応も期待される。10000m以上の深海に届く素材は現状存在しない。スチールの場合自重により切断するといわれている。深海資源の開発を可能にする深海ロープの開発も重要な課題と考える。
    これら開発を進め,2020年には市場6000億円,2030年には1兆円を超える市場に成長することを期待している。それに伴い,2030年には炭酸ガス削減効果約5百万トン/年の効果が出るものと予想している。
 深海ロープの開発の延長線上には,夢物語と考えられている宇宙エレベーターの開発がある。昨年2月大林組がその実現に向けての構想を発表している。
    それによると,2050年には完成させるというもので,実現には2030年までに150GPaの強度もったケーブルを開発する必要があるとしている。現状その可能性を秘めているのがCNTではないかと考えられ,宇宙エレベーターが現実のものとなれば宇宙活用の産業などによるエネルギー問題の解決に向けたまた新しい世の中の創出に寄与できるものと期待され,今後の成り行きが注目される。

  一方アスベストの経験から,カーボンナノチューブのみならずナノ物質の安全に対する危惧が持たれている。非常に重要な検討事項で,TASCでは研究テーマとして自主安全評価測定技術開発も合わせて実施している。将来には世界標準に成すべく努力が必要であるが,まずは自主的な管理基準を決めるための手法を確立するのが目的である。
    低炭素社会に貢献する素材として期待されるものが,人の健康・安全に害することによる負の歴史を繰り返してはならない。少なくとも安全に使用が可能な基準を確立することが急がれる。
    このように20世紀の高分子材料の時代から,21世紀は新しいカーボン素材発展の時代になっており,グラフェンも含めたナノカーボンの新しい素材があらゆる部材に使用され,エネルギー問題,炭酸ガス問題の解決に貢献することが予想される。官民あげてのますますの研究開発促進が望まれている。