(ドイツプルトニウム高速増殖炉跡)
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ドイツ/デュッセルドルフから北東100kmくらいのところにカルカールという町がある。ここはドイツで初めて作られたプルトニウム高速増殖炉原子力発電所があった場所である(ヨーロッパ駐在日記、1996年5月、カルカール)。しかしチェルノブイリ原発の事故の後、ドイツの原子力発電に関する政策変更により完成したが稼動することなく廃止され、今は娯楽施設ワンダーランドカルカールとして賑わっている。
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あってはならない原発事故が今起こり、福島周辺は通常とははるかに高い放射線に覆われ住民は避難している。福島近辺はこれからは10年、20年、30年と放射線の影響を受け、人は云う及ばず、農産物、畜産品、海産物、土、水、海などすべてのものに影響を与えていくことになる。
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公に報道される日々の情報はいつも”直ちに健康に影響を与えるレベルではない”との連呼であるが、その手法は戦後の長い保守政権の中で築かれたジワジワとしか情報を公にしない手法そのもののように感じる。思い出すのは、学生時代聞いたフォーク歌手高田渡の歌である。
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<値上げ>
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値上げはぜんぜん考えぬ / 年内、値上げは考えぬ/当分、値上げはありえない / 極力、値上げはおさえたい / 今のところ、値上げはみおくりたい / すぐに値上げを認めない / 値上げがある、としても今ではない / なるべく値上げはしたくない / 値上げをせざるを得ないという声もあるが 値上げするかどうかは検討中である / 値上げもさけられないかもしれないがまだまだ時期が早すぎる / 値上げの時期は考えたい / 値上げを認めたわけではない / すぐに値上げはしたくない / 値上げには消極的であるが 年内、値上げもやむを得ぬ / 近く、値上げもやむを得ぬ / 値上げもやむを得ぬ / 値上げにふみきろう
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福島では中性子が観測されている。この報道も当初はあったが今では公にされない。すでに前代未聞の人体実験が始まったと云っていい。これから、10年、20年、30年、それ以上たってその結果が判明するものと思う。
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一方、ドイツカルカールの人々はこのワンダーランドで楽しみながら自然豊かな田園風景の中で生活を享受していることと思う。対照的な現状である。